主屋 軒の雨をしのぐ屋根補修。事の起こりは日本家屋におけるトイレ事情であるが、ちと話が長くなりそうなので割愛しよう。勝手口からトイレへの導線に不可欠な軒下であった事は間違いあるまい。
軒の基礎的な構造を見れば一目瞭然。主屋の建築当初(明治28年)から計画されていなくては生存できない。
客間横に据え付けのトイレは、用を足す毎、ヒバを敷き直すといった具合の運用方法の為、家族の誰一人として使う事ができないのであった。かくしてトイレ難民とならない為、お客様トイレ、主人用トイレ、家族トイレ、使用人トイレ1、2とおびただしいトイレ空間が必要となるのであった。よほどプライベート時間を大事にした様で、トイレそれぞれが、まるで家の周辺を取り巻くごとく残っている。