板金 にわか雨 vol.2

前回、板金工事における補助事業の関心の薄さについて述べた。明治以降の和洋折衷建築は、人気が高まる一方で、観光で経済的救済やら伝統的工法、耐震ありきで入ってしまうと「出口が見えない」事態に陥る事例は枚挙に暇がない…。ここはみすゞの詩のごとく「みんなちがって、みんないい。」現場でありたいのだ。

上の画像、洗い出し仕上げサイディングと瓦の間、漆喰の下地が板金の水切りとなっている。本来、相性の悪い板金上に漆喰といった事を職人はやりたくなかったかもしれない。

しかし昭和2年の段階で、防水機能を高めたいが故に、当時におけるハイテク素材(トタン)上に伝統工法をデコるといった訳で。その苦労が垣間見られる箇所がサイディングと左官の技術が交差する境界。

左画像の通り、今回、綺麗に蓋をされておりますが、トタンの水切り技術なしで、サイディング壁面が残った事、忘れないでほしいな的な…。

かといって課題がない訳でもない。トタンの水切りでは漆喰の剥落がはなはなしすぎる。ここを先の詩「トタンと左官と、それから瓦、みんなちがって、みんないい。」景色を目指したい。

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